代表あいさつ
代表あいさつ
一般社団法人ここえ 代表 松村 俊佑
障がい福祉事業に携わって感じた課題
正直にお話すると、僕は数年前にこの業界に関わり始めるまでは障がい福祉というものに全く興味がありませんでした。というよりは、そもそも触れる機会が皆無だったんです。だから、それまではなんとなく「障がい」と言われると、マスメディアから得たイメージからしか連想することが出来ませんでした。
ところが、実際に障がい福祉に触れる機会ができると、それまで持っていたイメージとまるで違うことに気付いたんです。
特に偏見を持っていた自覚はなかったんですが、障がいを持つ方にも様々な個性があるのに、テレビなどで取り上げられるような人たちのイメージをそのままに限定的な捉え方をしていました。
僕は実際に触れてみて間違いに気付けたわけですが、世の中の大半の方は以前の僕と同じようなイメージを持ったままだと思うんですよね。
そしてこの食い違いこそが、今の障がい福祉が直面している課題なんじゃないか、と感じました。
イメージで敬遠してしまう 障がい福祉の現状
国が制度として設けている障がい福祉の仕組み自体はとても素晴らしいですが、「障がい」という言葉そのものに対して偏見に近いマイナスイメージがあるため、どうしても「障がい」という名の入り口をくぐりたくない方が一定数存在します。特に小さなお子様を持つ親御様の中には、多少強引にでも“みんなと同じように”という想いが強い方もいるかと思います。
そもそも知ろうとも見ようともせずに、ただ障がい福祉を遠ざけてしまうため、この現状では私たち福祉側がいかに早期支援を促したところで、根付くはずもないと考えます。
障がい福祉のマイナスイメージを払拭する
一般社会に対して障がい福祉は多角的に劣っているという見方があることなど、社会での環境格差があることが、障がいに対してマイナスのイメージを持つ原因の一つだと考えます。何を基準にそう考えるかは人それぞれだと思いますが、お子様であれば施設の綺麗さや行事の数・支援の質などです。
それらの“イメージで敬遠してしまう障がい福祉”を変える為には、ひとつひとつの水準を上げた状態で、改めて周知していくことが必要です。
その積み重ねによって、一人ひとりが質を担保することを意識することで障がい福祉のイメージを払拭するきっかけになり、そう遠くない未来で、今のようなマイナスイメージを持たれることは減っていくと願っています。
利用者ファーストでもまだ物足りない、利用者未来ファースト
残念ながら今の障がい福祉を単にビジネスと捉え、利用者の獲得だけに焦点をあてているところも多いと感じています。もちろんそうしなければ、経営は成り立ちません。なので綺麗事だけを並べるわけにはいかないのも事実です。
しかし、プロモーションにだけ力を入れて、全く中身がない施設があることを僕は知っています。
そういった施設で時間をただ浪費させられ、何も得ることが出来ない人たちを僕は知っています。
こういった低い水準でサービスを提供する施設が、ネガティブなイメージを持たれる原因の一つだと僕は考えています。
だから僕は絶対このような施設は作りません。
僕たち障がい福祉は、施設を利用してもらおうとする事「だけ」重視しては、絶対ダメなんです。
障がい者側のニーズを満たすのは当然として、同時に社会的なニーズにも応える視野の広さが必要になります。
インプットした障がい者のニーズを、今度は社会のニーズに向けてどう上手くアウトプットしていくか。双方向に一貫できる仕組みを構築することが重要なのではないでしょうか。
話題性や内容の斬新さで売り出すだけの事業所を否定するわけではないですが、いずれにしても利用者は自分の人生を切り売りして事業所に来てくれるわけです。数十年先の未来まで頼られる存在になって初めて、胸を張れる障がい福祉サービスを提供出来たと言えるんじゃないかと、僕は考えています。
社会と障がいの歯車になる
弊社の理念でもある「社会と障がいの歯車になる」とは、こういった様々な課題解決の歯車の一つになりたいとの想いから掲げています。未就学児童から始まり、その子が大人になっても、何十年経っても、障がい福祉において可能性を提示し続けられるような会社になることを、日々目指して活動しています。